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光触媒

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更新日:2016. 12. 22.

光触媒とはなにか

触媒は「それ自身は変化することなく化学反応を促進する物質」と定義されます。光触媒は光があたると触媒になる物質です。 光触媒という言葉を聞いたことが無いという人もいるかもしれませんが、実は光触媒は身近に見られるのです。緑色植物が二酸化炭素と水から炭水化物と酸素をつくる光合成作用をしていることはご存知でしょう。そこで重要な働きをしている光触媒が、葉緑素(クロロフィル)なのです。
植物の光合成
植物の光合成も一種の光触媒反応  私たちは、クロロフィルのつくった炭水化物を食べ、放出した酸素を呼吸して生活しているのです。この光触媒が無くては、地上の生物は存在しないほど重要なのです。しかし、残念ながら光合成をできる光触媒を人類はまだ作り出せていませ・B
最近、世間で注目を集めている光触媒は、葉緑素のような有機色素ではなく二酸化チタン(TiO2)という物質です。ふつう、単に酸化チタンと呼ばれています。
酸化チタンは、昔から白色ペンキや化粧品、あるいは食品添加剤(おもに白色顔料)として使われてきました。白色ペンキが長期間、太陽にさらされるとボロボロになる、チョーキングという現象をご存知の方もいるでしょう。このチョーキング現象は、酸化チタンの光触媒作用(光酸化)によるものなのです。この原因は、後に書くように、酸化チタンが活性酸素をつくるためですが、その仕組みは実に40年以上も前から知られていました。
酸化チタン光触媒の一般的機能としては、汚れの分解、消臭・脱臭、抗菌・殺菌、有害物質の除去、ガラス・鏡の曇り防止、防汚、などがあります。

現在、どのような用途に光触媒が使われているかを表1にまとめました。これは1995年から6年間に新聞に発表された光触媒関連記事の件数を調べたものです。分類と振り分けは必ずしも適切ではないかもしれませんが傾向は読みとれると思います。
まず第一に多いのは空気清浄器関連であり、脱臭と有害物質の除去を目的としています。次に多いのは主に防汚を目的とした建物の外壁、建材(金属も含む)などです。意外に多いのは、脱臭・抗菌を目的とした衣類やティッシュなどで、近年の清潔志向を反映しているようです。
自動車関連では、サイドミラーの曇り止めフィルムが早くから市販されており、使った方もおられるでしょう。その他、自動車ボディーの防汚コーティングも期待されています。
図2に、現在、市販されている光触媒を応用した商品の例をのせました。

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