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光触媒

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更新日:2016. 12. 21.

光のエネルギーと物質の光吸収

光触媒の話に入る前に、光について書いておく必要があるでしょう。光化学反応でも光触媒反応でも、すべての光が使えるわけではなく、あるエネルギー以上の光だけしか使えません。
光のエネルギーは波長によって決まります。図4に示したように、光のエネルギーは波長が短いほど高くなります。この関係は次の式で表されます。
光のエネルギー(eV, 電子ボルト)
=(プランクの定数)×(光の速度)÷波長(nm、ナノメートル)
=1240÷波長(nm)

光のエネルギー
図4 光のエネルギーと波長
人間の目が見ることができる可視光は、波長が約0.4から0.8ミクロン(1ミクロン=1、000nm)ですから、可視光のエネルギーは約1.6から3.1eVとなります。400nmより短い波長の光を紫外線と言い、光触媒のほとんどは紫外線領域で働きます。太陽光には紫外線がエネルギーとして約3%含まれており、蛍光灯の光にもわずかですが紫外線があります。白熱電球の光には紫外線はありません。
物質には色がついています。これは光が物質に吸収されるからです。可視光の光をすべて反射する物質は白く見え、すべての光を吸収する物質は黒く見えます。赤や青に見える物質は、ある特定の波長(エネルギー)の光を吸収するためです。
物質の光吸収は、物質内の電子が光を吸収するためです。光を吸収した電子は、エネルギーの高い状態(光励起状態)になります。この状態から元の状態に戻るときには、ほとんど熱になりますが、たまに光になることもあります。
光励起状態の電子が元に戻らないで化学反応を起こすことがあります。これが光触媒反応なのです。

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